studio9.workは、PCソフト、スマホアプリなど使いやすくて便利なソフトを使ってみた感想を書いていくサイトです。
Inkscapeは、WindowsやLinuxでベクターデータを作成できる無料のグラフィックソフト。個人的には、写真はGIMPで、簡単なイラストやアイコンはInkscapeでというのが定番になっています。
使いこなせないぐらい豊富な機能が入っているので、普段遣いするのはInkscapeの機能のごく一部。それでもSVGファイルを作成する際には大変重宝しています。
Inkscapeには、エクセルなどからデータを読み込んでグラフ化するようなツールはありません。おそらくないのではと思います。ネットでいろいろ調べてみましたが、グラフ化できる機能は見つかりませんでした。
例えばこんな折れ線グラフを作りたい時には、少し手間がかかりますが可能な方法があります。
グラフ化する文書なら業務用などが多いと思うのですが、PDFだけでなく、どうしてもグラフをHTML文書に埋め込みたい時にSVG出力したい。そんな時に役立つかもしれない方法です。
上で書いたとおり、Inkscape単体でグラフ化してSVG出力というのは無理。あらかじめグラフ化された画像データを用意して、それをInkscape側で加工するのが一番手っ取り早い方法です。
まずはグラフに必要なデータからサンブル用として簡単な折れ線グラフを作成。LibreOfficeやExcelにはグラフウィザードがあるので、そちらからお好きなタイプで作成を。
ここでは、LibreOfficeのCalcで簡単に作成できる3Dグラフを作成しています。ここである程度の形を作っておかないと後で加工する際に面倒になります。
グラフが完成したら、PDF形式で保存します。
PDF保存したグラフをInkscapeで開きます。特に何もしなくても、PDFで保存したグラフがそのまま表示されます。
あとは、グラフの部分を抜き出したり、文字を追加するなら加工してSVGで保存するだけです。
Inkscapeでの一番よく使う可能がSVGファイルの出力。イラストを描く方には一般的なのですが、オフィスやサイト作成分野ではまだまだ無名な存在かもしれません。
知っていても使わない機能ではあるかもしれません。
ちなみに、ここで使っているサンプルのグラフファイルですが、PDFで出力した際のファイルサイズは47KB。
Inkscapeでグラフ部分を抜き出して文字を加えたこちらのファイルが拡張子svgのSVGファイルで93KBあります。
Inkscapeで作業しただけでファイルサイズが倍になっています。PDFの圧縮が優秀であるというのがよくわかります。SVGファイルにも圧縮した形式の.svgzで出力すれば、かなり軽量化できます。
このグラフを.svgzで保存した際には、44KBまで圧縮することができました。svgzで保存したものがこちら↓
ほかにも、いくつかグラフを作ってみました。
ドーナツグラフの3D化したもの
横棒グラフの3D化したもの
積み上げグラフの3D化したもの。
WEBページ上にグラフを埋め込む際には、SVGで出力しておくと大変役に立ちます。ファイルサイズがやや大きいと思うかもしれませんが、スマホ用サイトに使う際に画像を縮小化しますが、ラスタデータでもスマホ画面サイズにすると80KBから100KB程度になってしまいますので、ベクターデータできれいに描くことができるので、SVGで出力することをおすすめします。
以上、Inkscapeでグラフを作成する際の手順を紹介してみました。